トリノにあるミシュランガイド一つ星のレストラン、コンディヴィーデレに行ってきました。
コンディヴィーデレとは英語でシェアを意味しております。
今回は私一人での訪問でしたので料理をシェアすることはありませんでしたが、複数人で行くとシェアをするお皿もあるようです。
メニューはというと、最初にドリンクの、そして料理のメニューが渡されます。
料理はご覧に頂けるとおり、2つのコースから選べアラカルトはありません。
左側のFestivalと書かれているコースは比較的クラシックな、
右側のGran Festivalと書かれている方はFestivalに比べて皿数が多く、そして新しい(イノベーティブな)
と説明を受けました。
私は少し悩みFestivalを選びましたが、
今回はそのメニューの全容を紹介します。
ちなみにですが、私は当日ノンアルコールドリンクのペアリングを注文しました。
これがまたとても良い経験になったことをお伝えしておきます。
まず、最初に突き出しが出てきます。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
コンディヴィーデレはとある有名スペイン人シェフが監修されており、
この突き出しはその彼の代表作です。
私事ですが、スペインでの修業時代によく作っていたので、あの頃を思い出しました。
見た目は卵黄に見えますが、これはオリーブの液体を固めたものです。
口に含むとそれがブワッと広がります。
そして、前菜がスタートしていきます。
この二皿はほとんど同時に出てきます。
まず左側ですが、サボテンの身のスープです。グレープフルーツが入っており非常に酸味の効いたスープで、これからの食事に勢いがつきます。
そして右側ですが、トウモロコシの粉で作ったビスコッティの中に豚肉が辛く味付けされて入っています。辛いと言っても、海外の人を基準にしているため日本人の方でしたらどなたでも比較的安心して食べられる辛さだと思います。
そして、カツサンド。
見た目はカツサンドです。
2種類のソースが使われており、一つはやはり少し辛味が効いています。
このように辛味が続くと、海外でも辛味が料理において重要な位置づけになってきているのだなと実感します。
というのも10年ほど前にイタリアで修業を始めた頃は、全く受け入れられなかった印象が今でも強く残っております。
この料理は、パンに似せてメレンゲが代わりに使われている点が工夫で、
それによって食事の負担が減らされております。
見た目よりも軽い仕上がりとなっております。
料理はテンポよく続きます。
左手の写真はジャガイモのスフレで、外側は見た目通りカリッと、中にジャガイモのピュレが入っており、トロっと。食感のコントラストが絶妙で味はとても美味しいです。みんなが好きな料理といった印象です。上に大トロのタルタルが添えられております。
中央の写真はスカンピ(手長エビ)を使ったカルパッチョで、この日食べた料理の中でも特に印象深い皿の1つでした。
左側の写真は自家製のパンで、天然酵母から発酵させております。
続いての3皿。
左側の写真のカルパッチョですが、ポルチーニと一緒に食べると秋を感じさせました。
ヘーゼルナッツのクリームがコクをプラスします。
中央の写真のサラダですが、野菜それぞれ炭火焼きにされております。
皆さまご存知のバーニャカウダ(ピエモンテの方言で、温かいソース)と一緒に食べます。
バーニャカウダというとにんにくを使いますが、コンディヴィーデレではにんにくは使用していないとのことでした。
今回のコースで一番印象に残った皿です。
右側がスミイカ。
丁寧に火入れされたスミイカの甘味と旨味が、野菜の料理の後にグイグイと力強く脳に響きます。
そして2種類パスタが出てきましたが、どちらもスペインを感じさせるパスタという印象でした。
パスタ一皿目は、ニョッキです。
ニョッキと言っても、小麦粉と卵を使用しておりません。
トマトとじゃが芋だけで作られたニョッキです。
そのため食事も終盤ですがスルスルと食べれてしまいます。
パスタ二皿目は、スパゲッティです。
レモンを全部使ったスパゲッティで、シチリアを思い出される味でした。
しっかりとアルデンテに茹でられたスパゲッティはそれだけで美味しいと言われているようなお皿です。
そしてメイン。
マグロを使ったサルティンボッカです。
サルティンボッカはローマの郷土料理で、
仔牛に生ハムを乗せて間にセージを挟み、バターと白ワインで調理されたとても美味しい料理です。
その料理から着想を得られたのは言うまでもありません。
マグロのローストに生ハムがそえられ、ソースにはお肉のジュがかかっております。
クミンやセージの香りがして、メインにふさわしいリッチなお皿でした。
ここまで12皿。
このあとデザートになりますが、少しだけサプライズがあります。
まさにFESTIVAL DI DESSERT!
なので、それは皆さんの目で実際に確かめにいってみて下さい。