フレッシュトマトとは文字通り新鮮なトマトのことであるが、
トマトの種類や状態によって、仕上がるトマトソースの味わいは全くといっていいほど異なる。
なぜか家庭で作っても、あのレストランの味わいにならない。
そんなことを思った方も多いはずです。
それはプロの料理人が、
お客様にわざわざレストランに来ていただき、食事を楽しんでもらうために仕事をしているからです。
今回はそんな仕事の話を交えながら、作り方の紹介をさせていただきます!
今まで貴方が読んできたトマトソースのレシピとは一線を画すものとなっていると自負しております。
どうぞ最後までお付き合いください。
フレッシュトマトを使ったトマトソースの作り方
①トマトを美味しい状態にする
まずトマトですが、熟れていなければ常温に置いておきます。
購入したてのトマトは固かったり、香りが弱かったり、また甘味や酸味が乏しかったりします。
常温と言っても夏場の暑い時期にはすぐに傷んでしまうためお取り扱いにご注意ください。
この過程を追熟といいますが、トマトの収穫は基本的に熟れる前に行うため八百屋さんやスーパーに綺麗に並ばれていてもまだそのトマトの状態が若いときがあります。
トマトソースにするタイミングですが、
買ってきたトマトがトマトらしい青い香りが出てきてから調理しましょう。
②湯向きする
そして、まずはトマトを良く洗います。
意外にも汚れていることが多いトマトはよく洗ってください。
それからトマトのお尻の箇所に十字に包丁で切り込みを入れて、たっぷりのお湯に入れます。
お湯であればぐらぐらしている必要はなく沸いている状態であれば問題ありません。
トマトに衝撃が加わって潰れてしまわないように易しく扱いましょう。
お湯に入れて切り込みを入れたあたりが少し剥がれてくる数十秒程度で引きあげます。
引き上げましたらすぐに氷水に入れます。
氷水が用意できない場合には水だけでも構いません。
③薄皮をむいていく
皮をむいていきますが、トマトが程よく熟れていると皮が簡単にむけるでしょう。
それが①の行程を経る意味でもあります。
ヘタを取ってから湯向きする場合もありますが、それだとトマトに傷がついてしまった場合にそこから旨味成分であるグルタミン酸が流れ出てしますような気がします。
なので私はヘタを取りません。
十字に切り込みを入れたところから皮をむいて、まずはトマトの準備が出来ました。
ここまででようやく下準備です。
④トマトをカットして測る
トマトをダイス状にカットしていきます。
カットしていく過程でトマトの水分が出てきますが、その水分は使用しますので捨てないでください。
ここでトマトとその出てきた水分の全体の重量を測っておきます。
⑤にんにくオイルを作る
にんにくオイルについては、トマト500gにたいして大さじ2の量のオイルが必要です。
作り方は、
オリーブオイルににんにくの香りがつけばいいので、
皮付きのにんにくを潰して全体的に浸る程度のオリーブオイルを入れ、
極弱火で香りを抽出するようなイメージです。
にんにくオイルを作る鍋は大きすぎないものを選びます。
から揚げなどの揚げ物をする時に口が広い鍋だと油の必要な量が多くなるのと同じで、
オイルの量に合った適切な鍋を用います。
にんにくは浸っていないと十分にオイルににんにくの香りが移りませんので、
もしにんにくがオイルから出てしまう場合には鍋を傾けた状態にしてあげると良いでしょう。
作る量はトマトソースに使う分だけあれば十分です。
作りすぎてしまうともったいないので注意しましょう。
もし作り過ぎてしまった場合には出来るだけ早く酸化する前に使い切りましょう。
パスタの仕上げに用いる場合などには非常に便利ではあります。
冷蔵庫で保存するのが良いのですが、冷蔵庫ににんにく臭が漂う恐れがありますのでお気をつけ下さい。
またオイルを作る際に、にんにくをスライスしたり刻んでしまうと、
にんにくの香りが強く出過ぎてしまうためあまりおすすめしません。
もちろん、にんにくがお好きな方がいらっしゃいましたらそのようにしてもよろしいかと思います。
⑥トマトを煮込む
鍋に湯向きしたトマトを入れます。
トマトの水分(旨味)を出やすくするためにわずかに塩を加えましょう。
この塩は塩味を加えたいためのものではありません。トマトに汗をかかせるためのものです。
そこに、④のにんにくの香りをつけたオイルを加えて煮込みます。
にんにくオイルを加えて弱火にかけ時々混ぜながらしばらくすると、
トマトソースがふつふつとしてきますね。
ここにバジルを加えます。
どのくらいの量かと申し上げますと、
トマトが500gだとしてバジルの大きさにもよりますが5~6枚程度でしょうか。
バジルは刻んでもいいのですが、
あとで取り除くため私は葉のまま、もしくは枝が付いている状態で加えます。
鍋底が焦げ付かないように時々混ぜながら火を入れていきます。
トマトの水分がとんで全体の嵩が減ると鍋肌にトマトソースが焦げ付くので、
それのような場合には綺麗なペーパーや湿らせた布巾で拭きとりましょう。
全体の量が煮込む前の半量になったら一度味を見て下さい。
塩が足りなければ足しても良いのですが、
この後にパスタにしたりその他料理に使う際にも塩味は加えられるので、
この時はトマトの旨み、甘み、酸味が感じられれば問題ありません。
⑦冷蔵庫で保存
粗熱をとって冷蔵庫に入れます。
ピタッと表面にラップをすると酸化しにくくなるため、より長持ちします。
上手に保存すれば1週間くらいは召し上がれるでしょう。
ソースを使う際に、スプーンを消毒することや指を入れて味見しないことが大切です。
フレッシュトマトソースのおすすめの使い方
パスタにお使いの場合には、スパゲッティやペンネよりも生パスタや乾麺でも
幅の広いタイプのパスタとの相性が良いでしょう。
またカッペリーニを使った冷製パスタにもおすすめです!
カッペリーニとは天使の髪の毛の意味で、極細のスパゲティ(0.9㎜)のことです!
もしくは本来フレッシュトマトをトッピングする料理に、フレッシュトマトの替わりにこのソースをかけるのもおすすめです。
例えば、トマトとモッツァレラチーズのサラダ:カプレーゼのトマトを、このソースにしてみてください!
驚くほど美味しくなります!
その場合にはお好みで、冷たいままでも加熱しても良いでしょう!
このソースは料理に使用する際に、適宜塩やビネガーを加えて下さい!
またコロッケやとんかつにもおすすめです。
少しタバスコを加えるのもアリですね。
その他にも和食や洋食、中華やエスニックなど様々な料理に使えます。
要は万能です!
多めに作っていつでも使えるようにすれば日々の献立に役に立ちますね。
フレッシュトマトを用いたソースは価格も易しくはないためなかなか作れないかもしれませんが、
もしトマトが多めに手に入ったらソースを作ってみて下さい。
今回ご紹介した方法以外に
トマトが熟れてから冷凍してしまう方法もあります。
この場合は、
冷凍トマトを水に入れて(もしくは流水で)解凍しますが、
解凍の際に皮が自然とむけるので湯向きの手間がなく比較的楽に作れるのと、冷凍すると旨味成分のグルタミン酸が増すということもあり良いことも多いです。
ただし湯向きする場合と比べて、
冷凍庫の匂いがついてしまったり、霜が発生し味に影響が出ることも懸念されます。
ご家庭の冷凍庫では業務用に比べて冷凍に時間が掛かってしまったり、冷却能力が弱いなど条件が整わないこともありますが、
時短という意味では有効な手段です。
ご自身に合った作り方を見つけて、いろいろ試してみて下さい!
次のページからは缶詰のトマトを使用したトマトソースの作り方について説明します!