今まで本ブログを読んできていただいた方には既にご存知の通り、
シチリアのトラットリア(郷土料理を主に提供するレストラン)やストリートフードの紹介などを通して、ある程度ご理解いただけていると思います。
今回は改めて、シチリアの料理を解説させていただくのですが、
メインの料理に絞ってお話します。
目線が料理人目線なので分かりづらい表現もしばしばあることと思いますが、ご了承ください。
マニアックな料理もあるのでシチリアに興味が湧いたり、
楽しんでいただけましたら幸いでございます。
メイン料理 肉編

シチリアは魚のイメージが強い方も多いと思います。
といいますのもどうしてもシチリアが海に囲まれ魚介類に恵まれた土地であるからのように思います。
しかし、私も住んでみて気づいたこと。
それは魚よりも肉の方が食べるという事実。
友人の話では、
「魚は高価なのでお祝いの時にしかほとんど食べないよ」
とのことであった。
そういう話もあるという程度のことだが、
そういうこともあるせいかシチリアはお肉を使った料理が数多く存在し、また食べる頻度も高い。
というわけでまずは、シチリアのメインのお肉料理を紹介させていただきます。
インヴォルティーノ シチリアーノ

まずは定番のこちら。
薄く広げた仔牛肉に
パン粉やレモン、トマトのコンサントレ(トマトペースト)を混ぜて作った詰め物を混ぜ、
竹串に差して焼くとてもシンプルな料理。
一つ一つの間に玉ねぎとローリエがあるのが特徴。
味わいは極シンプルで、おそらく想像されるよりも優しい味わい。
シチリアに来てまず出会わないことはない定番中の定番で、スーパーにも売られている。

アロストパナート

見た目がカツレツに似ているが異なる。
カツレツとの違いを聞いたところ実にシンプル。
アロストパナートは仔牛肉をパン粉を付けて焼いたもの。
カツレツは仔牛肉をパン粉を付けて揚げたもの。
だそうだ。

ちなみにカツレツはイタリア語ではコトレッタといい、コトレッタミラネーゼという名称がありミラノを代表する伝統料理である。
骨付きであることが多いので、もっとボリューム感がある。
それをたっぷりのバターで揚げ焼きにするのだからしっかりとした食べ応えだ。
対してアロストパナートは焼いているので、その焼けた香ばしさが味わいに加わる。
コトレッタほどオイルやバターを使わずに仕上げるので比較的優しいが、それでも多くのお店ではとても大きいサイズで出てくるためある程度の覚悟が必要。
そして付け合わせにジャガイモとなるともうすごいのだ。
たっぷりのレモンを絞って召し上げることをお勧めします。
ボッリート

牛肩肉をセロリや玉ねぎ、にんじんと煮込んだ料理で筆者を含め多くのパレルモ人が寒い日に良く食べる定番のメニューだ。
アシュットといい、汁なしでも注文が可能であるが断然に汁がある方が美味しい。
柔らかく煮込まれた牛肉に、優しいお出汁が身体にしみる。
寒い時期、月に一度は食べたくなる筆者一押しのメニューがボッリーットである。
皆さまにも是非試していただきたい。
サルシッチャ(ソーセージ)
シチリアではサルシッチャもメインでよく食べられる。
シンプルにグリルされたものもあるが、
おすすめはトマトで煮込まれたもの。

サルシッチャの塩味と脂肪分を、トマトの酸味と甘味で程よく包んでくれ
それで非常に食べやすくなるのだ。
もちろんシンプルなのも美味しいのだが、パン粉に浸け焼いたものもある。
その場合サルシッチャを開いてパン粉につけて焼くのだが、
想像していただきたい。
パン粉がサルシッチャの脂を全部受け止めるためギトギトなのだ。
また焼く前と焼いた後にたっぷりのオリーブオイルをかけることが習慣とさせており
とてもヘビーなのだ。
時々見かけるが私の中では一種のネタとしている。
皆さまももし見つけたら味わってみてほしい。
それも一つの経験であるから。
カルドゥーメ

ストリートフードの記事でも紹介しているため重複するのをご了承ください。
この料理はいろいろな内臓を使用している。
下処理を丁寧にして煮込むだけのシンプルな料理だが、一度食べたらハマってしまう美味しさがある。
ただし意外だったのだが、シチリアの人でも食べない人も結構な数見てきました。
それでも多くの人に愛される郷土料理の一つ。
恐れずにチャレンジしてほしいです。
その他
シンプルにグリルしたものなどまだまだ紹介しきれない料理があるので、本記事を随時更新していこうと思います。
写真も追加していきますのでご期待ください。



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