カポナータとは
今ではナスを使った料理をさすことが多いのですが、シチリアにはカルチョフィのカポナータなども存在しております。
起源としては、かつて漁師が海に出て釣りあげたタコを船の上で茹で、レモン(お酢)をぶっかけて食べたその料理をカポナータと呼んでいたとか。
※諸説あり
ナスのカポナータ
パレルモには家庭料理や郷土料理が多くあります。
市場に行くと青空の元、実に多くの野菜や魚、肉が売っており、
活気あるおっちゃんたちの声が響き渡ります。
たいてい現地の言葉(方言)なのでちょっと何を言っているのか分かりません。
初めて行く方はその勢いに圧倒されることもあるでしょう。
市場に行って特に印象的なのは野菜です。
どの野菜も色が濃く、持ったときにパワーを感じます。
パプリカは肉厚でしっかりしており、ズッキーニはずっしりとみずみずしい。
ブロッコリーやカリフラワーは大きく力強い味わいで、
フェンネルは少し離れた場所までその香りが伝えわってきます。
そして価格も安い!
両手いっぱいに買った野菜も10€ほどあれば足りてしまいます。
そんなパレルモでどこのトラットリアに行っても必ずあるメニューが、ナスの料理です!
個人的には特にナスのカツレツ(イタリア語でカツレツをコトレッタと言います)が好きですが、
他にもグリルしてたっぷりのオリーブオイルとミントを散らしたものや、
ナスの中にパン粉などを詰めてトマトソースをかけたものなど
実に多くの料理で我々を魅了してくれます。
そんなナスを使った料理の中でもカポナータは各レストランや家庭ごとに味わいがことなり、
そのカポナータが美味しいと感じるお店や人とはたいてい貴方と相性が良いでしょう。
ですのでもしカポナータが美味しいお店や美味しく作る人を見つけたらラッキーです!
とは言っても、どれも料理人の個性があり楽しめるはずです!
出来立てを食べるというよりは冷やして食べるのが一般的で、
一晩冷蔵庫で寝かして味をなじませたものがおすすめです。
現地では時期によってはナスは皮をむいてしまうことも多いのですが、
色合いも美味しいと感じるには必要な要素ですので、出来れば皮は全部は向かずに調理出来ればと思います。
また、よくフランスのラタトゥイユと比較されることがございますが、
個人的には全く別の料理に感じております。
ラタトゥイユとは別の料理とは知らなかった!
どんな違いがあるんだろう?
簡単に説明しますと、ラタトゥイユはトマトソースで野菜を煮込みますが、
ナスのカポナータは揚げたナスを甘酸っぱいトマトペーストで和えるという感じでしょうか。
シチリアではこの甘酸っぱい料理をよくみかけますが、
その甘酸っぱい味付けをアグロドルチェといいます。
今回はナスのカポナータのレシピをご紹介しますが、ご興味のある方は是非ご家庭でもチャレンジしてみてください。
簡単に美味しいカポナータが出来るレシピです。
レシピ
- 米ナス:650g
- 玉ねぎ:180g
- セロリ:40g~
- ケッパー(塩漬け):25g
- オリーブ(種なし):25g
- アーモンドロースト:15g
- レーズン:15g
- 赤ワインヴィネガー:230g
- グラニュー糖:75g
- トマトペースト:65g
- ココアパウダー:5g
- バジル:25g (なければローリエでも)
1、玉ねぎを1㎝角に切り、セロリは筋を取り除き斜めにスライスする。
セロリに葉っぱが付いている場合は、細かくなりすぎない程度に3㎝幅くらいに切り分けておく。
またセロリの分量は玉ねぎと逆にしても良い。
個人的にはセロリが多い方が好み。
玉ねぎはあれば赤玉ねぎがおすすめです。
2、ケッパーを塩抜きする。
塩抜きの際に水に浸けるが、時間が長いとせっかくの風味も飛んでしまうため、5分程度を目安にする。もしくは塩を洗い流すだけでも良い。
酢漬けのケッパーは風味があるものならそれでも良いかと思います。
オリーブは種有のものでも構わないが、出来れば種がないものの方が食しやすい。
種がある場合は取り除いておく(分量もその分少し多めに測る)。
3、アーモンドはローストしてあるものか、
もし生アーモンドの場合は150度のオーブンで15分程度を目安に加熱する。
食感的には皮なしをおすすめする。
また、ローストアーモンドの場合は塩味が付いていないものを選ぶ方が調理しやすい。
4、レーズンは存在感があるため、小さめのカレンズで代用も可能。
水で戻す必要はない。
5、赤ワインヴィネガーとグラニュー糖は合わせておく。
合わせておく場合はグラニュー糖をしっかりと溶かす。
合わせなくても問題ないので、その場合は入れる時に手早く鍋に入れる。
6、米ナスは一口サイズに乱切りし、180度でしっかり色づくまで揚げる。
この時米茄子は皮を剥いてきましょう。皮を剥かないと食べた時に口に残ります!
上がったら薄めに塩を振る。
上げたら9までの間に水分が飛んで乾燥しないように注意。
出来るだけ早く9まで行けるように準備しておく。
乾燥してしまうと味の馴染みが良くない。
7、玉ねぎとセロリ(葉っぱ以外)を、オリーブオイルで半透明になるまで中火で炒める。
8、炒めたところにケッパーとオリーブを加える。
炒めることで風味を引き出す。このタイミングでバジルを加えることも可。
9、風味が立ったら、赤ワインヴィネガーとグラニュー糖を加える。一度沸かして、そこにトマトペーストを加える。
トマトペーストを加えてもう一度沸かし、6の米ナスと、ローストアーモンドとレーズンを加える。
しっかり馴染むように混ぜ合わせ、ココアパウダーを加え再度混ぜる。
10、まだ温かい状態でバジルを加える。
セロリの葉がある場合はこのタイミングで加える。
11、仕上げにオリーブオイルを回し入れる。
もし仕上げた状態で水分が足りないようであれば赤ワインヴィネガーとグラニュー糖を追加で加える。
その場合はおおよそ3:1か4:1の割合で合わせたものを一度煮立たせて加えればよい。
12、タッパーやバットに入れて、ラップで密閉して粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて一晩味を馴染ませる。
13、食べる前にお好みでオリーブオイルを回し、バジルを飾る。
いかがでしたか?
ナスのカポナータは日本でも食材が手に入りやすいものが多く作りやすい料理の一つです。
ちなみにナスは色々な種類がありますが、個人的には米ナス以外でしたら、ゼブラナスというナスが皮も柔らかくカポナータに向いているかなと思っております。
※現地では米ナスの形をしたナスを使うことが多いです。
レシピを参考にオリジナルのカポナータを作ってみよう!