シチリアの名物カンノーリのレシピを紹介!

ドルチェ

愛すべきシチリアのドルチェ

イタリア南にある地中海最大の島シチリア。

そんなシチリアで特に愛されているお菓子、それが今回ご紹介させていただいたカンノーリ

ココアが混ぜられた生地を薄く伸ばし、丸くくり抜いて筒状にして揚げます。
その筒の中にたっぷりの砂糖で味付けしたリコッタを詰めて、ドレンチェリーやピスタチオを飾れば完成です。

最近では日本でも見かけるようになりましたね!

シチリアのとある朝に起きた出来事

パレルモに久しぶりに帰った時の話です。

実際に行ったことのある方は想像が出来るかもしれませんが、

シチリアでは時にものすごい量の食事が出てくることがあります。

ご飯を茶碗5杯くらいは普段食べている私が、

食べきれないくらいの量の食事がきて、

少しでも休むと

「なんだ、全然食わないな!」

という会話は日常茶飯です。

たいてい、

あなた”より食べてるのですが。

その日の前日の夜も例のごとく食べ過ぎました。

そんな時のお腹にはもうなにも入りません。

宿に帰って一目散にベッドに行き、

「明日の朝はエスプレッソかカプチーノだけにしよう。」

そう考えながら私は眠りにつきました。

そして翌朝、起きてリビングに行き、

宿のオーナーである奥様に挨拶します。

キッチンから現れたのはその奥様と、手には紙袋に包まれた何か。

「今朝車でピアーナデッリアルバネージまで行ってカンノーリ買ったきたのよ!」

と奥様は嬉しそうに言います。

ピアーナデッリアルバネージは、パレルモから車で約1時間程。

往復で2時間くらいです。

そんな労力をかけて買ってきていただいたカンノーリを食べないわけにはいかない。
しかもカンノーリは好物だ。

そう思いました。

マダムは聞きます。

「何本食べる?」

え?あ、複数の選択肢はなかったわ。

「1本お願いします。」

私が答えると

奥様は

「カンノーリはいくらでもあるからね!」

おっしゃる通りいくらでもある。

目の前にあるのがそれだ。

見えている。

おそらくあの紙袋の大きさで言うと中身には10本を超えている。

「飲み物は?エスプレッソ?カプチーノ?」

「カプチーノをお願いします。」

そう、エスプレッソでは量が少なく、

とてもじゃないが、あのあま~いカンノーロと戦える気がしなかったのを今でも覚えている。

さあ、目の前にはカンノーロ。

少しの勇気を出して、一口食べると…

「おいしい

そうなんです。カンノーリは美味しい。

前日の食事がまだ消化されていない、お腹がいっぱいな状態でも美味しい。

そんなカンノーロを1本食べ、朝から大満足。

久しぶりのパレルモで食べるカンノーリは最高だ。

その私のご満悦な様子を見た奥様が

「カンノーリ、おかわりあるよ!」

いつも優しいのがシチリア人。

私の返事を待つことなく、

「食べれない?持ち帰る?」と奥様が続ける。

どれだけ人が良いんだろう。

遠慮せずに1本お土産にお願いさせていただきました。

後程確認したら4本入ってました。

袋が大きいなとは思っておりましたが、まさか4本とはね。

有難い重み。

そんなカンノーロ。

日本ではイタリア料理、特にシチリア料理を専門にやってらっしゃるレストランや、

イタリアのドルチェ(デザートの意)をウリにされているお店(pasticceria:パスティッチェリア)では見かけることも増えてきました。

購入もしくは召し上がるのにおすすめの場所は、揚げた生地に注文してからリコッタのクリームを詰めてくれるところです。

生地がサックサクでリコッタのクリームはとっろとろ

ほのかな苦味心地よい甘さ絶妙です!!

最近流行のピスタチオを使ったクリームやチョコレートのクリームバージョンもあります。

シチリアに行ったら是非そのバージョンも食べていただきたいです。

そんなに大きいのは食べれないという方には、

小さいサイズのカンノリッキがおすすめです!

1/3くらいの大きさで食べやすいです。
価格もカンノーロが3€程度で、カンノリッキが1€といったところです。

朝からカンノーリとカプチーノ。

シチリアに来たら是非お試しください!

最後にイタリア語について少し

イタリア語では、複数のものを表すのに語尾を変化させて表現させます。

例えば-oで終わる(男性)名詞は、-iとなりますが、今回のお話の主役であるカンノーロは

イタリア語表記ですとcannnoloと-oで終わるため、

よって複数で終わらせたい時には-iとします。

つまり、

カンノーリ(cannoli)は複数形、カンノーロ(cannolo)は単数形です。

よってカンノーロと呼んでも、カンノーリと呼んでもどちらの表現も正しいです!

単数か複数かで呼び方が変わるだけですね。

なので、細かいことを言うと、

日本でカンノーロを1つ買う際に、

「カンノーリを一つください!」

は厳密に言えば間違いです。

Kazu
Kazu

イタリアでは1つの場合にはカンノーロと呼びますが、

カンノーリと言っても伝わるので問題ありません。

例えば、

トマトをイタリア語ではポモドーロと言いますが、

ポモドーロ:pomodoroをポモドーリ:pomodori:ポモドーリ にすることで、複数となります。

もしイタリアへご旅行へ行く際には少し覚えておくと、便利な場面があるかもしれません!